お墓は相続するのか

お墓の相続

法律(民法)では、お墓(墓石・墓地)仏壇や位牌などは「祭祀財産」としています。祭祀財産は、相続財産としての対象になりませんので、遺産として分割されることはありません。もちろん、相続税も掛かりません。

 

では、祭祀財産はどうなるのでしょうか?

 

そこで、民法では相続ではなく、「祭祀を主宰すべきものが承継する」と定めています。つまり「祭祀主宰者(承継者)」が承継することになります。

 

では、「祭祀主宰者」はどうやって決めるのでしょうか?

 

第一に故人が指定する、指定がなければ慣習により、慣習がなければ家庭裁判所が決めることになります。一般的には、故人が指定することがほとんどでしょう。指定といっても口頭でも有効ですので、「生前にお墓のことをよろしくたのむ!」といった指定でも「祭祀主宰者」とされます。しかし、その指定がされていなかったり、曖昧なこともあります。あらかじめ親族間で話し合い、誰が承継するのかを決めておくことが重要です。

 

祭祀主宰者の権利は、もともと明治時代からの「家制度」に由来していると考えられています。その色々な権利として、お墓や仏壇などを購入したり処分することができますし、お墓に埋蔵されたお骨を改葬(他の場所へ移す)したり、散骨することも可能です。ただし、散骨は自治体の条例やガイドラインで規制されている場合がありますので注意が必要です。

 

このように重要な権利を持つ祭祀主宰者ですが、墓じまいする場合には、事前にご家族やご親族とよく相談しておくことが必要ではないでしょうか。